3Dプリンター導入のメリットについて徹底解説

3Dプリンターを導入するメリットについてご紹介する記事です。3Dプリンターは、ご存じのように、3Dデータを利用してその立体を出力可能な機械です。現在はビジネス用途にとどまらず、家庭用の安価なプリンターも販売されています。このように身近になった3Dプリンターですが、導入することでどのようなメリットがあるのでしょうか。

3Dプリンターを導入するメリット

3Dプリンター

3Dプリンターは、2013年頃に大きな注目を浴び、メディアでも連日のように取り上げられていました。現在、ブームは落ち着いたものの「第3の産業革命」とも呼ばれる技術は、製造業を中心とした幅広いもの作りの世界で活躍を続けています。この記事では、今後、3Dプリンターの導入をお考えの方に向けて、導入することで得られる数々のメリットをご紹介します。

開発や製作にかかる時間を節約

次の「コストを節約」とも大きく関わりますが、新製品の開発や製作には長い時間がかかります。試作品を外注する会社は多くありますが、外注することによる時間のロスがなければ、コストも節約することができるでしょう。3Dプリンターを導入し、自社ですべての開発工程をまかなえば、開発期間は大幅に短縮され、市場への製品投入もこれまでよりも短い期間で行えるようになります。3Dプリンターの導入は、競合他社と差を付けることにもつながるのです。

コストを節約

3Dプリンターを導入してパーツを作ればコストカットにつながります。このコストは生産に関連するコストで、この中には人件費、電気などのエネルギーコスト、倉庫代や運賃などの物流コストなどが含まれます。3Dプリンターを導入することにより、コストを大幅に節約した有名企業は数ありますが、自転車の製造で知られる台湾の「GIANT」では、すでに一部の製品用に3Dプリンターを使用してシートを製造しています。また、航空部品やロケット部品を製造するアメリカの「GE AVIATION」でも、ジェットエンジンパーツの一部を3Dプリンターで製造しています。
試作品を作る場合、現状、多くの会社が製作を外注しています。自社でじっくりと時間をかけて開発を行う場合もありますが、どちらにしても多くのコストが必要なことは言うまでもありません。3Dプリンターがあれば、試作品の製作は社内で、時間とコストをかけずに行うことが可能です。外注せずに自社で試作することで、技術的なチャレンジもしやすくなります。

クオリティの向上

3Dプリンターを導入することで、必ずしも製品クオリティが向上するわけではありません。しかし、製造する部品を厳選することによりクオリティを向上させることは可能です。現に、3Dプリンターを導入した多くの企業が、製品クオリティが向上したことを明らかにしています。
パーツや製品の設計を行う際は試作品を作りますが、3Dプリンターを導入すれば、3Dデータさえ作ってしまえばすぐにクオリティの高い試作品(モックアップ)を作ることが可能です。試作品を作るプロセスは、実は面倒な作業ですが、3Dプリンターがあればクオリティを向上させると共に、すでにご紹介したように開発にかかる時間を節約することができます。

デザインの向上

3Dプリンターを導入すると、クオリティの向上が図れると共に、デザインの向上も図れます。現在の3Dプリンターは、素材や造形物の用途に応じて、種類を使い分けられるようになっています。繊細なデザインに対応したもの、金属を造形に使えるもの、などを使い分けることにより、デザインクオリティを向上させることが可能です。もちろん、試作品もデータから一発で作り出せますので、これを繰り返すことでもデザインクオリティのアップにつなげることができるでしょう。

切削では作れない複雑な形状に対応

3Dプリンターは、従来行われている成型方法では作れない形状の物体をプリントアウトすることが可能です。たとえば、中空構造や二重構造を持つ物体、精巧すぎるデザインを持つ物体は、切削用の刃が届きません。このような場合でも3Dプリンターなら問題無くプリントアウトすることが可能です。
また、切削で作ることはできるものの、コストがかかってしまう場合も3Dプリンターで出力した方が良いでしょう。切削はすばらしい技術ではありますが、精巧な仕上げをするには時間がかかり、また材料も無駄になりがちです。

一発造形

3Dプリンターでは、3Dデータを元に造形します。3Dデータどおりの物体がプリントアウトされるため、基本的に、その後の加工は必要ありません。従来の切削では、場合によっては追加で加工が必要になります。

スピーディにアイデアを形に

3Dプリンターがあれば、アイデアをスピーディに形にすることができます。従来の造形方法では、アイデアが浮かんでもすぐに行動に移すことはできませんでした。社内に3Dプリンターが設置されていれば、アイデアは瞬時に形になります。これは次にご紹介する「社内コミュニケーションの活性化」にも貢献する、とても魅力的な3Dプリンターのメリットです。

社内コミュニケーションの活性化

外注せずに社内で試作品を作れるようになれば、ミーティングが行われるごとに、改良された試作品をチェックすることが可能になり、開発に関わる人たちの意見も伝わりやすくなります。また、これまでは平面データでしか見ることのできなかったものでも、立体模型を用意すればイメージがわき、ミーティングでの意見交換も活性化します。3Dプリンターは、間接的にビジネスの潤滑剤的な役割もこなします。

在庫を抱える必要がない

3Dプリンターを導入すると、オーダーが入ってから生産すれば良いので、在庫を抱える必要がありません。「コストを節約」の項でもご説明したとおり、在庫を抱える場合も人件費や倉庫代など莫大なコストがかかります。従来型の製造業でもこのスタイルでビジネスを行える場合もありますが、少なくても故障に備えて予備のパーツは準備しなければなりません。3Dプリンターなら、この予備のパーツでさえもすぐに製造して出荷することが可能です。

サプライチェーンをシンプルに

3Dプリントを導入してもの作りを進めることで、これまでのサプライチェーンの形は変わります。各生産拠点で大量に生産したパーツを1箇所の工場で組み立てる場合、倉庫代や運送費用などの莫大な物流コストが発生します。しかし、3Dプリンターでパーツを製造して、その場所でパーツを組み立てれば物流コストは発生しません。
また現在、すでにオンラインによる3Dプリントサービスも始まっていますが、たとえばユーザーが製品の3Dデータを購入し、オンラインサービスを利用して製品をプリントアウトすれば、サプライチェーンはますます簡略化されます。

競争力アップ

3Dプリンターの導入により生まれるさまざまなメリットは、すでに少し触れたとおり、競合他社との製品開発競争を有利に進めることにもつながります。ここまでに挙げてきたメリットのほとんどはコスト削減に関わることであり、製品が市場に出た際の販売価格にもこのコスト削減効果は当然反映されます。それに加えて3Dプリンターで生産したパーツが、従来製品よりも、たとえば軽さや耐久性に優れた性質を持つ場合、市場においてゲームチェンジャー的な存在になれる可能性もあります。




3Dプリンター導入のメリット・まとめ

性能向上により、3Dプリンターを導入する企業は増加しています。しかし、特定部品の製造を除いては、まだ完成品への利用は限られています。ここまでご紹介してきたように多くのメリットがある3Dプリンターの導入。業務用3Dプリンターは日進月歩の勢いで進化が続いており、今後は試作品の製造目的だけでなく完成品製造へと利用が広がっていくことでしょう。